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あたまのさんぽ
:
いろは歌妄想
いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす
色は匂へど 散りぬるを わが世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず
この歌は名作なんだろうか?
一首の長歌とすると、やまとことば以外に有為(うゐ)などという外来語(仏教
語)が入っていて、あまり品がよくない。いろと読む時は色は仏教語の”しき”の
意味はないから匂うのは可笑しい。散るのは花だろうから、花は匂わず散りにけ、
のように歌えば美しい。我が世誰ぞというのも、分かり難いし、誰ぞはどうして、
如何での意味としたら、強引すぎる。有為はいいとして、越えるのが奥山というの
も、必然性がない。酔いもせず、と言うところもよくない。このように、この作品
はお世辞にも良い歌ではないようだ。 いろは歌は奉るようなものでなく、仮名文
字を全部一回だけ使って歌らしいものを作るという、あそびにすぎない。思想や感
情を歌いたければ、短歌、長歌がはるかにすぐれているのは、あたりまえのことで
ある。 いろは歌は習字手習いのための手本歌ということもありえるか?
残念ながら江戸時代まで仮名はいろは歌の47字以外に多くの漢字の草書体が使
われており、かな字の学習には不十分で良い手本とはいえない。 いろは歌は7字
づつ分かち書くと7字めが とかなくてしす、と読めるので(すは、文末の5字)
咎なくて死す。無罪の罪で死刑になったひとの、暗号であるとの説がある。いろは
歌は全ての仮名文字を一回だけ使っているので、大抵のこと、読み込んでいるとい
えるので、暗号などとは大げさか。ことばあそびとしては、いろは歌プラス脚韻折
り込みということで面白いとはいえる。
いろは歌を作るのは難しいようにみえるが、かさたは行は二通り三通りによめる
し、へも二通り はも濁音以外にワとよめるため、組み合わせの自由度はかなり大
きく、いろは歌を作ることはさして困難とはいえない。ただ作品が歌として、ある
いは文として、良いものであるか否かは、俳句、短歌、詩なども良い作品は何万分
の一であるように、別である。すぐれた詩人が作れば相当の秀作が出来ることは間
違いない。おおいに期待するところである。
戯れいろは歌(色は匂わずとすると)
色に香はなし 桜散る
美こそ売りねと 文渡せ
雨を待つ夜の 消ゆ靄へ
頬笑むけれん 捨てぬ
いろにかはなし さくらちる
ひこそうりねと ふみわたせ
あめをまつよの きゆもやへ
ほおえむけれん すてぬ
色に香はなし 桜散る
美こそ売りと 文捨てぬ
雨の気止むも 待つ所以
倒せ我を呼べ 呆けね
いろにかはなし さくらちる
ひこそうりと ふみすてぬ
あめのきやむも まつゆえん
たおせわれをよへ ほけね
色に香はなし 桜散る
美こそ売りねと 文捨てぬ
雨を待つ夜や 燃えた我
湯の咽せ危険 頬へ
いろにかはなし さくらちる
ひこそうりねと ふみすてぬ
あめをまつよや もえたわれ
ゆのむせきけん ほおへ
いろは47 はすのにほへと
蓮の匂へど 散りぬるを
浮き世ぞいかで 常ならむ
我朝居置く 夢満たせ
今日酔ひ越し 山燃えろ
はすのにほへと ちりぬるを
うきよそいかて つねならむ
われあさゐおく ゆめみたせ
けふゑひこし やまもえろ
道案内
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